KFCの11種類のスパイスを当てに行く【考察編】
誰もが知るケンタッキーフライドチキン。
そのレシピは、今なおどこにも公開されていない秘伝のレシピである。インターネットではそのレシピにまつわる様々な憶測が日夜飛び交い、数多の物好きたちがレシピの再現を試みている。しかし未だ、その正解にたどり着いたものはいない。
ということでおうちでケンタッキー再現にチャレンジしてみました。
※レシピを探るだけで長くなりそうだったので【考察編】と【調理編】に分けます。
さて、ケンタッキーの再現が難しい理由の一つに、185℃の油で高温加圧調理を行なっているという点が挙げられます。これには専用の圧力釜が必要で、日本の一般家庭ではこれを使用することができないのでここは諦めざるを得ません。
加えて、ケンタッキーのチキンには実に11種類のスパイス&ハーブが使われています。これは公式に公表されているほとんど唯一の正確な情報で、今回はこの配合、分量についてちょっと真面目に考察してみました。
もうこの時点ですでにめんどくさそう。わくわく。
まず、ネットに転がっている情報を整理して、その中から信憑性が高いと思われるものを順にピックアップします。
(1)KFC公式Twitter
KFCの公式Twitterは11のアカウントをフォローしています。その11人というのが、5人の元スパイスガールズと6人のハーブという名前の男性。このことからほぼ間違いなく11種類の内訳はスパイス5種類ハーブ6種類だろうという予想がつくので、これを基準に考察するのが妥当だと思われます。
(2)KFCの紙ナプキンのイラスト
これはKFC高田馬場店で使われる、スパイスのイラスト付き紙ナプキン。これも公式であるため比較的信憑性が高いでしょう(しかし実際のレシピを知る人物はKFCの中でも少数らしいので(1)と比べるとだいぶ低い)。
ただしこのイラストを見て間違いなくこれだ!と言えるものが一体いくつあるだろうか…
(3)カーネルサンダースが残したと言われるメモ
2016年、カーネルサンダースが残したとされる11種類のスパイス&ハーブのメモがスクラップブックから発見されています。
それが以下。
1. 塩 TSの3分の2
2.タイム TSの半分
3.バジル TSの半分
4.オレガノ TSの3分の1
5.セロリー・ソルト TS1杯
6.黒コショウ TS1杯
7.ドライ・マスタード TS1杯
8.パプリカ TS4杯
9.ガーリック・ソルト TS2杯
10.ジンジャー・パウダー TS1杯
11.白こしょう TS3杯
しかし、「11種類のハーブとスパイス」と言っているにもかかわらずハーブでもスパイスでもない「塩」が入っているのには違和感があります。
さらに、偽物である可能性や、ここから改良が重ねられた可能性などを加味すると、信憑性はやや低め。ただ、このレシピで作ったフライドチキンは「そのものではないがかなり近い」らしいので十分参考にする価値はありそうです。
その他、KFC東神楽店の壁に描かれたパウダースパイスやテレビで公開された一部のスパイス、公式HPに過去載せられていた写真、などは(1)(2)と食い違うため参考程度に留めています。
さて、ある程度情報が出揃ったところで、紙ナプキンのイラストを解析していきましょう。とはいえ、この中から一見しただけでわかるものはこれだけです。
ハーブ系はお手上げですね。ただ、少なくともタイムやディル、ローズマリーなどは除外できそうです。
その他のイラストに関しては、(3)のメモや再現している人たちのレシピから、可能性のありそうなものを当てはめていきます。
するとこんな感じ。緑がハーブ、茶色がスパイス。オールスパイスとマスタードは結構無理やりな感じもしますが、その他に当てあまりそうなものが思いつかないので多めにみてほしい。
ただこれ、全部で10種類しかないんですよね。なるほど?最後の一つがまさに極秘の隠し味というわけだな…?
というわけで問題の11番目なんですが、上のイラストを見るとハーブとスパイスが5種類ずつ。(1)に基づくと残り一つはおそらくハーブでしょう。
(3)やその他のレシピから、可能性の高そうなものはタイムかパプリカだが、パプリカはどちらかというとスパイスなので11番目はタイムかな!?
と、ここである事実に気がつきます。
これ、この左上の葉っぱ。セロリの一部かと思ってたんですけどよく見ると茎とくっついてない!?ということはもしかして、これ単体で一つのハーブなのか…?そうだと仮定すると、おそらくこれは
コリアンダー…かな?
謎は謎のままにして、とにかく作ってみればいいじゃない。ということで
このレシピで作ってみることに。
マスタード・コリアンダー入りのものとオールスパイス・タイム入りのものを2種類作ってみようというわけです(ホントは4種類作りたかったが普通にめんどくさいのとお腹がいっぱいすぎるという理由で省略してしまった)。
なお、化学調味料が重要な要素だという情報もあり味の素をプラスしています。
しかしこれはやばいぞ…
もしかしたらこの世の真理に行きついてしまったのでは…とテンションが上がったまま調理編に続きます。
調理編はこちら↓